[ さて、その意味するところは・・? ]
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浦安駅で普通に正面から降りると遠回りになる。だから、線路をまたぐような形で駅の裏へ続く通路に向かう。通路を歩いていると、なぜか階段前にコンテナに入った瓜が並べられている。線路を挟んで駅の反対側は市場となっており、その通路が市場の2階部分を通っていることを考えると、だれかが置き忘れていったのかも知れない。もっとも、もう夜だから、活気も何もなく、薄暗い中にこんなものがあるってのはちょっと不思議な感じだ。 それ以上、深く考えることもなく、コンテナの縁に足をかけ、わずか数段の階段を越え、そのまま歩く。通路横の事務所からは、真夜中だというのに、パソコンを叩く音が響いてくる。ぼくより遅く仕事をしてる人がいるとはご苦労なこった。 階段をおり、建物の出口へ。そこには浦安と書かれた交通標識があり、右方向に矢印とともに東京と書かれている。ここらで暮らし始めたころ、とりあえずこの東京と指されている方角に向かえば帰れると覚えたことを、この標識をみる度に思い出す。半分、条件反射だ。 そのまま帰ろうと歩いていると、いつも使う線ではない、別の浦安駅の方に、浴衣の女の子たちがたくさんいるのが見えた。なんとはなしに、ちょっとぐらい遠回りもいいだろうと、ふらふらとそっちに足が向く。なんでこんな夜中にという疑問が浮かぶが、違和感を感じることはなく、今時珍しい木造の駅舎の方へ歩みを進める。 その子たちは高校生のようで、修学旅行にでもきているのだろうか、2,30人ほどおり、引率の教師らしき人もいる。いつのまに着替えたのか、浴衣の子はもう見あたらず、女の子ばかりと思っていた中には男の子も混じり、皆が制服を着て並んで待っている。その笑顔は、あまりにもこの時間と不釣り合いだ。 なんなんだろうなあと思いつつ当たりをみると、その団体から少し離れたところに、ホームレスとまではいかないものの、お世辞にもきれいとは言えない格好をした男が本やら雑誌やらを積んでいるのが見えた。 と、その瞬間、ぐらっと視界が揺れ、倒れてしまう。ぼくは、引率の教師とぶつかったようだ。靴が脱げてしまい、あわてて拾う。が、それはぼくの革靴ではない。白いスニーカーだ。「あなたのはこちらでしょ」といって、ぶつかった教師が私に革靴を差し出してくれる。「すいません。」その教師も靴が脱げてしまったらしく、自分が拾ったスニーカーはその教師のものだったようだ。 お互いの靴を交換し、自分の靴を履く。しゃがみ込んで、ほどけた靴ひもを結び直す。そして、改めて礼を言おうと顔を上げた。
そこにはだれもいなかった。あんなにたくさんいた高校生達も、教師も、どこにもみあたらない。薄汚れた男もいない。ただ、古い駅舎の電球だけがあたりを薄暗く照らしだし、静寂だけがあたりを包んでいる。 −幻− そんな言葉が頭を横切る。しかし、幻ではない。だれもいない薄明かりの隅に、男が積んでいた本や雑誌が確かに残っていた。
−−−−−−−−−−−−終了−−−−−−−−−−−−
はい、終わり! 夢オチです。なにが夢オチかというと、自分の夢なのだ。 久しぶりに夢をしっかりと覚えていたので、つい書いてしまいました。 しかし、ここまで、見事につながってる夢って珍しいな。 普段は場面がガンガン変わっていくか、一瞬一瞬しか覚えてないん だけど、一度も場面が切り替わらず、ほぼ全て内容も、その夢の中で 自分が思った事も覚えているなんて、ホント久しぶりです。
さあ、だれか、ぼくの深層心理を分析して下さい。 じぶんなりに何通りか思いついたけど、深くやると自我がくずれそう なのでやめました。あっと驚く鋭い分析をお待ちしております。
2002/10/01(Tue)
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